国家がなぜ家族に干渉するのか: 法案・政策の背後にあるもの (青弓社ライブラリー)

国家がなぜ家族に干渉するのか: 法案・政策の背後にあるもの (青弓社ライブラリー)の詳細

戦後の憲法は、戦前の家族国家観と制度を「払拭」して生まれたハズですが（これ自体が、戦後の「民主主義者」？の過大評価なのかも？）、実際は、憲法もよ～く読むと戦前の国家権力や家族観を継承していることが分かります。民法も、「イエ」制度を廃止したはずなのに、細かなところになお「イエ」制度を引き継いでいます。その意味で、戦後の自由民主党は、日本的な「国家」と日本的な「家族」の復権を一貫して狙ってきました。とりわけ、安倍内閣になって、これらの課題を一挙に実現する「憲法改定」を現実化しようとしています。そのような時に、それに対抗しようとして出されたこの本は、時代的にもとても重要なものだと思います。ただ、肝心な「家族」の内実が多様化している時代、同じ「家族」という概念・言葉を使っていていいのかどうか・・・血縁・非血縁、同居・別居・時々同居、離婚・再婚・再々婚、シングル母子・シングル父子等々、さらにLGBTなど性的少数者も含めて、同じ「家族」概念・言葉でいいのかどうか、また、非婚の子と親の同居形態もありますから・・