別冊宝島 令和日本のタブー

別冊宝島 令和日本のタブーの詳細

いやはや凄い話ばかりである。第1章「権力の攻防」、第2章「暗黒社会」、第3章「触れがたき闇」、第4章「格闘者たち」に計18本の記事が載っている。このうち第1章は安倍政権批判、第4章はスポーツ界のスキャンダルものなので、宝島社らしい切り口とはいえ、余り新味はない。読みどころは第2章と3章だろう。取り敢えずタイトルを列記しておく。・「ゴーン逮捕」スクープで「朝日新聞」を取り込んだ特捜部の老獪な「メディア操縦術」・逮捕された文科省キャリア官僚が初めて語った「収賄疑惑」140万円の真実・「メール」「LINE」も筒抜け情報権力を狙う警察と「改正通信傍受法」の恐怖・「信用スコア」で人生が決まるビッグデータ時代の「新・恐怖社会」・部落解放同盟が阻止する「地名総鑑」の原典「全国部落調査」の内容・暗礁に乗り上げた「買収」交渉「馬毛島」オーナーが語った「私が島にこだわる理由」・「日本国紀」パクリ騒動が他作家に飛び火し炎上幻冬舎を襲った「百田リスク」の呪い・ヤクザが告白する「アワビ」「ナマコ」の密漁「収支決算」・母親たちの不倫売春が横行する「北関東」貧困地帯の深き闇タイトルを眺めただけで、頭がクラクラ。我が国も相当に病んでいるようだ。例えば「信じられないかもしれないけど、県(栃木県のこと)の全世帯の2-3割のお母さんは(経済的な理由で)身体を売っていますから」の件にはホンマかいなと吃驚する。各記事とも10頁余りの短いもので、はっきり云えば掘り下げ方が甘いし、羊頭狗肉なものもチラホラ。でもまあ、真実の一端は垣間見られるというものだ。嘗ての「噂の真相」誌が今日健在なりせば、さぞやネタに事欠かない時代なのだろうなと改めて想う。マスコミ業界は妙に漂白されて、見たくないものは端から存在しない世界になっているのかも知れない。一読の価値あり。