担保物権法 -- 現代民法3 第4版

担保物権法 -- 現代民法3 第4版の詳細

企業の法務部門に在籍していたことがありますが、担保物権に関してリサーチする必要があったら、コンメンタールと判例データベースを調査して、高木多喜男『担保物権法』(有斐閣、第４版、2005年)と本書も必要に応じて参考にし、さらに登記や執行等の手続き面の情報も添えて一丁上がり、といった感じでした。ところで、会社法の分野では江頭教授の体系書『株式会社法』を引きこなせるほどになるまで、他の(より簡単な)教科書を読みこめ、といった趣旨のことが語られますが、本書も同様かと思います。すなわち、道垣内・担保物権法の前に、何かの本で担保物権法を一通り勉強する必要があります(本書は初学者向けではないので)。Amazonのレビューや実務家、司法試験受験生のブログ等を参考にわかりやすいと定評のある教科書を選びましょう。(道垣内先生の本で揃えるなら、『リーガルベイシス民法入門』の該当ページを読むだけでも全然違うと思います。)このような(難しすぎるという)難点はありますが、現代日本の民法学界で最高水準の担保物権法の体系書であることには違いないので、星五つしかつけようがありません。しかし、初学者の方々は余程の天才でもない限り、本書を一冊目の担保物権法の基本書とすることはお勧めしません。